【2023年度 スシロー決算】コロナ禍・値上げ・迷惑動画の影響を読み解く!

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ニュースなどで「客足が遠のいて経営状況が悪い」など言われているスシローですが、FP目線で分析&解説していきたいと思います!

2023年8月7日にスシローを運営するFOOD&LIFEカンパニーの決算発表(2023年度第3四半期)が行われいました。

FOOD&LIFEカンパニーの決算は9月となっているため、4月~6月は第3四半期となります。

スシローについては、様々な記事で利益が減っていて計状況は不調であるといわれています。
ただ、個人的には、お店に行ってみると以前と変わらず満席で長い待ち時間が必要になることも多く、決して不調であるようには感じられません

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同じような感覚の方も多いのではないかと思います。

スシローといえばコロナ禍以降、値上げや迷惑動画などいろいろな出来事がありましたよね。
今回は、スシローの経営状況の実態について、決算と照らし合わせながら確認していきたいと思います。

スシロー単独の決算を確認することはできないため、スシローを経営する株式会社FOOD&LIFEカンパニーの決算で確認・解説させていただきます。
FOOD&LIFEカンパニーの売上げ全体のうち7割がスシローであるため、スシローの経営状況が反映されているとみなすことができると考えています。

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これから説明する数値が、スシローだけの数値ではないという点をご理解ください。

2018・2019年度【コロナ以前】

コロナウイルスの拡大は多くの外食産業に大きな影響を与えてきました
まずは、コロナ禍となる以前のスシローの状況から確認していきたいと思います。

売上収益【累計】

FOOD&LIFEカンパニーの2018年度(2017年10月~2018年9月)と2019年度(2018年10月~2019年9月)の売上収益の年度内累計がこちらです。

売上収益【年度累計】

「売上収益」とは、営業・販売活動によって得られたすべての収益を指す、とお考え下さい。
経費や税金などを考慮していない純粋な「売上げ」です。

「あまり成長していないのかな・・・」という見え方になるかもしれませんが、同業他社の店舗数もどんどん増えていたという当時の回転寿司業界の状況を考えると、”収益が伸びている”だけでもすごいことです。

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かなり高いレベルでの”増収”なので、グラフで見ると目立たなくなっています。。。

営業利益【累計】

2018年度・2019年度の営業利益の年度内累計がこちらです。

営業利益【年度累計】

収益に連動して、営業利益も伸びていることがわかります。
2018年度に比べると2019年度の方が、”利益率”も向上していることもわかります。

2020年度【コロナの流行開始】

2020年度はいよいよ新型コロナウイルスの流行がはじまりました。
FOOD&LIFEカンパニーの決算タイミングで言うと、2Qから流行が始まり3Qから日本でも行動制限が始まりました。
日本国内でも外出自粛が始まり、もちろん飲食業界にも大きな影響が出ました
スシローにはどんな影響があったのでしょうか。

売上収益【累計】

2020年度の売上収益はこちらの通りです。

売上収益【年度累計】

驚くことに、流行が始まっても売上げが落ち込むことはなく、前年度までと同様の成長をしていることがわかります。

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同業の他社は、収益がかなり落ち込んでいたにも関わらず、スシローは伸びていたというのはすごいことだと思います。

スシローは、コロナ禍以前よりテイクアウトに力を入れていたこともあり、収益の減少も抑えることができたのだと思います。

営業利益【累計】

2020年度の営業利益の年度内累計がこちらです。


営業利益【年度累計】

売上げについては、コロナ禍が始まったとは思えない収益で推移していましたが、利益については伸びが鈍化してしまいます。
2019年度までは、毎年前年度を上回る利益となっていましたが2020年度3Qからは前年度を下回る利益となります。

これは、店舗数の拡大によって収益は向上したものの、コロナ禍の影響により店舗単位での来店者数はかなり減ってしまったことが影響していると思われます。

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“店舗が増える”ということは、店舗の賃貸費用などの運営費が増えるので、コロナ対策などにより経費がかなり増えてしまったと理解できます。

2021年度【コロナ禍継続】

コロナウイルスの拡大は短期間で終息すると考えられていましたが、その後もコロナ禍は続き1年以上にわたり世の中の様々な面に影響を与えることになりました
もちろん飲食業界への影響も続き、閉店や倒産するお店も多くなってきたのもこのころです。
そんな状況での、スシローの状況を見ていきたいと思います。

売上収益【累計】

2021年度の営業利益の年度内累計がこちらです。

売上収益【年度累計】

1Qについては少し失速があったものの、年度全体を見ると収益が順調に増加していることがわかります。
店舗数の増加による効果とはいえ、この時期で増収を達成するのはすごいことです。

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コロナ禍で収益を順調に伸ばしている飲食企業は、あまり無いと思います。

営業利益【累計】

2021年度の営業利益の年度内累計がこちらです。


営業利益【年度累計】

この伸びはかなりの衝撃です。
過去最高利益を達成しただけではなく、前年度(2020年度)のおよそ倍の利益を上げているのです。

これは、「テイクアウト」市場の拡大・注力を行ったことが成功したと言えます。
これまでは、各店舗では「店内で食事」が当たり前でしたが、コロナ禍の状況を逆手にとって「店内で食事+テイクアウト」ができることをアピールすることで、経費を少なくして利益を向上させることに成功したといえます。

2022年度【コロナ禍継続】

結局、コロナ禍はまだまだ続きました。
ただ、この時期になると飲食業界では”テイクアウト”がすっかり定着・拡大したことで、「店舗での飲食」+「テイクアウト」の二面での収益を上げることができるようになったともいえます。
そんな時期のスシローの状況を見ていきたいと思います。

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とはいえ、コロナ禍の影響が収まったというわけではありません。

売上収益【累計】

2022年度の営業利益の年度内累計がこちらです。

売上収益【年度累計】

スシローは2021年4月からテイクアウト専門の「スシロー To Go」の展開をはじめたことで、店舗数がさらに拡大することとなります。
この効果もあって、2022年度も前年度を上回る収益を達成します。

営業利益【累計】

では、営業利益についてはどうでしょう。
2022年度の営業利益の年度内累計がこちらです。


営業利益【年度累計】

残念ながら、営業利益については一年を通して前年度(2021年度)を大きく下回る結果となります。
この理由は、”円安”と”物価高”の影響が大部分を占めます。
回転ずしは、“一皿100円”がメインであることを死守する必要があることに対して、原材料や光熱費などが高騰したことで、「収益が増加したのに利益は減少した」という状況になりました。

この状況を打破するために、ついにスシローは「2022年10月から一皿100円を終了」ということを発表します。
これは2022年5月のことでした。
この報道により値上げ前の需要がふくらみ、4Q(2022年7~9月)は収益は向上したのだと思われますが、それ以上に経費などが上回ったようです。

2023年度【コロナ影響終息・迷惑動画問題】

2023年度になると、飲食業界へのコロナ影響もほぼなくなりました

そしてスシローは、2023年10月から一皿100円~を終了し、一皿120円~となりました。
「値上げしても収益の向上が継続するか」
「物価高に対応できるのか」
という正念場のタイミング
となります。

そんな状況も踏まえながら、2023年度の経営状況を見ていきたいと思います。

売上収益【累計】

2023年度の営業利益の年度内累計がこちらです。

売上収益【年度累計】

「2022年度と同じくらいの収益なのでがんばっている」
というとらえ方もできますが、
・店舗数を拡大している
・値上げをした
ということを考えると、収益が横ばいなのは決していい状況とは言えません

この年度において、スシローにとってさらに大きな出来事・事件が発生します。
2023年1月に発覚した迷惑動画問題です。
メディアでも衝撃的にとらえられたので、この記事を見ているほとんどの方がご存じだと思います。

その問題の影響を考えると、収益面では「なんとか踏ん張った」というのが正しい見方なのかもしれません。
また、テイクアウトも確立されたシステムとなり利用する客も増えていたことも、大きな影響が出なかった理由の一つかもしれません。

営業利益【累計】

2023年度の営業利益の年度内累計がこちらです。


営業利益【年度累計】

営業利益については、残念ながら2018年度以降で最低の利益となりました。

“料金の値上げ”についてはしばらくすると理解が得られるはず、と考えていたのだと思います。
しかしながら、迷惑動画問題の影響は避けられず、利益に影響が出てしまいました

結局2023年度の3Qまでの累計は過去6年間で最低水準となっている状況を、どう挽回してくのかが今後の見どころです。

さいごに

今回はスシローの経営状況について、FOOD&LIFEカンパニーの決算から分析&解説をしました。
回転寿司業界の中でも”スシロー”だけにスポットを当てた説明をしましたが、回転寿司業界自体の市場規模はまだまだ成長し続けていますし、激しい競争も繰り広げられています。

業界にとって、コロナ禍の影響はどのお店にも影響があったと思いますが、迷惑動画問題については明らかにスシローがかなりの影響を受けたといえます。
それでも、増収を継続するとともに、減収になっていない状況を考えると、やはりスシローの底力はすごいということも分かりました。

今は苦しい経営状況にあるスシローですが、きっと復活すると私は確信しています。

激しい戦いが続く回転寿司業界を、今後も見守っていきたいと思います。

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ありがとうございました!

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