【中国恒大グループ】が”破産法”申請!気になる日本経済への影響を解説!!

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この記事は、「”恒大グループの破産法申請”の話をきくけど、”私たちの生活にどんな影響があるのだろう?”」という疑問をお持ちの方にぜひお読みいただきたいと思います!

最近、「恒大グループ(恒大集団)が破産法を申請をした」というニュースが世界中でかなりの盛り上がりをみせています。

このことは、”破産をした”というわけではなく「恒大グループがアメリカで連邦破産法第15条の適用を申請した」というのが正確な説明になります。
そんな難しそうな話はともかく、私も含めて日本で普通の生活を送っている国民にとっては「自分の生活に影響があることなのか?」ということが気になるところではないでしょうか。

今回の記事では、
・今回起こっている「破産法第15条の適用を申請」するのは企業としてどのような状況なのか?
という点をわかりやすく解説しつつ
・日本で生活する我々の生活にどんな影響があるのか?
という点についても解説したいと思います。

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中国での企業名は「恒大集団」ですが、この記事では日本でなじみやすい(と思われる)「恒大グループ」で企業名を表現させていただきます。

“恒大グループ”の事業について

まずは「恒大グループ」が、そもそもどのような企業なのか、という点から説明したいと思います。
「恒大グループ」は
・中国記載では「恒大集団(こうだいしゅうだん)
・英語名では「エバーグランデ
と呼ばれています。

“恒大グループ”の沿革

「恒大グループ」は1996年に創立された企業で現在も主に不動産開発を行っている会社です。
起業当時に中国政府が実施した住宅制度改革に便乗した形で、不動産関連の収入で短期間で大成長を遂げました。

★中国における【住宅制度改革】について
中国では1970年代までは、自分の住む場所は自分で決める(購入することが)できず、政府から「住む場所を与えられる」という状況でした。
しかし、1970年代後半から始まったこの改革では、住宅などの不動産が商品化されることとなり、中国の住宅の状況は一変しました。
 住宅が商品化されるということは、住宅などを売買できる、すなわち個人が不動産を所有できるようなったということです。
その後も、この住宅制度改革は進み、住宅私有化と不動産事業の進展に拍車がかかることになりました。

事業の多角化

「恒大グループ」は、不動産開発による成長後、業種の多角化を積極的に行いました。
特に有名なのは2010年にプロサッカークラブの「広州足球倶楽部」を買収し、ヨーロッパの有名選手や指導者を多く獲得していきましたしました。
国内での数多くの優勝はもちろん、ACLでも2度優勝するなどの実績を残してきました

また、最近では電気自動車(EV)事業にも進出し注目を集めていました

近年の経営状況

恒大グループの近年における“財務報告”によると、2021年と2022年の赤字額合計は約16兆円以上となっており、ここまでの負債総額は約47兆円を超えました。

金額が大きすぎてイメージできない方も多いと思いますが、日本の2023年度の国家予算が114兆円ほどであることと比較すると、その負債総額の規模がどれほど多いかわかっていただけると思います。

恒大グループの各事業の状況について、主なものについて解説したいと思います。

不動産事業

恒大グループのメインとなる不動産事業です。

様々なメディアで報道されているのでご存じの情報もあるかもしれませんが、今回はその一部を紹介させていただきます。

マンション開発

不動産事業の中でも中心となる事業ですが、恒大グループが建設を始めたマンションのうち現時点で70万戸以上が未完成とも言われれており、すでに購入(完成・入居待ち)した国民からの非難が集まっています。
すでにほとんどの物件で恒大グループはすでに手を引いているようで、政府系投資会社が介入する形(政府が引き継いで工事を進める)で収めようとしているようです。

ただし、実際にはほとんどの物件工事がいまだに停滞しているという話もあり、さらに大きな問題に発展する可能性もありますね。

サッカー専用スタジアム

恒大グループが運営しているプロサッカークラブのために、ホームグラウンドとしてサッカー専用スタジアムの建設も行ってきていました。
しかしながら、このスタジアム建設についても、すでに恒大グループは撤退していて政府系の投資会社が工事を継続しているようです。

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企業が運営するサッカークラブのホームグラウンド建設に、政府が介入するというのは日本ではありえないことですね。。。

遊園地

恒大グループは自社の名前を付けた“EVERGRANDE FAIRYLAND”という子供向けの遊園地を今年開園予定でした。
恒大グループの公式サイトでは、現在(2023年9月)でもこの遊園地について紹介されているため完全に撤退したということではないのだと思います。

恒大集团-集团业务 (evergrande.com)

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この遊園地ができると、世界でも最大規模になっていたようです。

しかしながら、この施設についてもすでに工事は中断されており、工事再開の目途もたっていないとのことです。
また、ここまで説明したきたマンションやサッカースタジアムとは違い、政府の介入も今のところ無いようです。

その他の事業

ここまでの解説で、恒大グループのメインとなる不動産事業について、壊滅的な状況であることを理解いただけたかと思います。
続いて、不動産以外の事業についても解説していきたいと思います。

サッカークラブ運営

恒大グループが運営してきたサッカークラブ(現在の名称は”広州足球倶楽部”)については、2010年代にACL優勝を含め華々しい成績を残しましたが、ここ数年は資金難からチームは弱体化(スター選手がいなくなった)し、ついには中国のサッカーリーグの2部に降格してしまいました。

かつてはサッカー界での”爆買い”の象徴でしたが、一気にその流れも終わりました。

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サッカー専用スタジアム建設からも撤退したことも納得ができますね。

2021年にチーム名から「恒大」の名前がなくなりましたが、これはチーム名に”企業名を入れない”という中国サッカー協会の方針の影響であり、資金不足とは関係ないようです。

電気自動車(EV)事業

2019年にスウェーデンの自動車会社を買収後、電気自動車の生産を計画し、2022年10月から事実上の販売開始をしましたが、約1年経過した今でも1000台程度しか納車できていないようです。

販売台数が少ない理由として”新規参入で実績がない”こともあるかもしれませんが、“経営不振の会社の車に乗りたい”という人が少ないのが理由だと思います。

経営状況としてはかなり危機的ですが、このような世界的に見ても先進的な事業を中国政府が放っておくとは思えないので、何らかの介入があるのだと思われます

米国での”連邦破産法第15条”の適用申請

ここまでの解説で「恒大グループが危機的状況にある」ことは理解していただけたかと思います。
しかしながら、そんな状況で中国企業が”アメリカで破産法の申請をした”というニュースには、違和感を感じた方も多いのではないかと思います。

なぜ、中国の企業が”アメリカ”で破産法の申請をしたのか、という点について解説をしたいと思います。

米連邦破産法15条 は、アメリカ”以外”の企業が、米国内の資産を保護する目的で申請するもので、認められれば債権者による資産の強制的な差し押さえを回避できることとなります。

なぜ”米連邦破産法”を申請したのか

「破産法申請」するのはどんな状況?

“破産法”という名前がついている時点で、かなりその企業の状況が良くないのはなんとなくわかると思います。
特に不動産を中心としている企業は、実際に現金を所有しているのではなく、所有している土地や建物の”価値”が上昇することを見込んで次々と次の不動産を買収し、開発(マンションを作るなど)し、売却することで利益を上げます。

恒大グループも不動産による収益を見込んでどんどん買収をしてきましたが、不動産価格が停滞もしくは下落すると過去に購入した不動産の支払いが滞ってしまいます
この状況がいわゆる「資金繰りが困難になる」状態につながります。
そして、支払いができない担保として企業が所有している資産の差し押さえ、という行為が始まってしまうことが懸念されます。

そのような状況になり、企業が立ち直ることすらでできない状況になってしまうことすら防ぐための法律が”破産法”です。

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国としても、企業が簡単に倒産してしまう状況は”国民に不安を与える”ことにつながるため、できる限り企業を守る必要があるということです。

どうして、アメリカ?

では、なぜ中国の企業である恒大グループが、中国ではなくアメリカでの”破産法申請”したのでしょう。
恒大グループがアメリカ国内に資産を多く保有しているということであれば、その資産を守るためという理由が考えられますが、実際のところアメリカ国内の資産はほとんど無いようです。(まったく無いかもしれません)
すなわち、保有資産の保護のために申請したというのは考えにくいということになります。

しかしながら、恒大グループの債権者(≒恒大集団に資金を提供している(貸している)人)はアメリカおよび”ドル”を保有している方がたくさんいます
そのような“ドル”による債権者からの様々な行動(資産差し押さえなど)を抑止するためにアメリカで”破産申請”を行ったと考えていただければと思います。

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結果的には、中国企業は中国政府から守られるのではないかと思っています。

“破産法申請”は受理されるのか

中国企業が、なぜアメリカで”破産法”を申請したのか、という点については理解いただけたと思いますが、もちろん申請しただけで効力を発揮するわけではありません
その申請が、“受理”されなくては意味がありません

「今回の破産法申請が本当に受理されるのか?」

この点についてはいろいろな見解が見受けられますが、FPである私の見解としては受理されることはないだろうと思っています。

恒大グループの財務状況をいろいろな角度で調べてみましたが明瞭な情報が少なく、さらには7月に発表すると言っていた企業再建案も、年末までに先延ばしされました。
このような状況で、さらに海外の企業に対して「申請を認める」ことはできないのではないか、というのが私の見解です。

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実際にどうなるかは、引き続きチェックしていきたいと思います。

日本への影響は?

そして、今回の件で気になるのは日本経済への影響ですよね。

恒大グループは現在資金繰りに苦労していて経営状況が悪くなっていることを説明してきましたが、見方を変えると「不動産をものすごくたくさん所有している企業である」とも言えます。
「現金がない→不動産を売る」ということをすれば、すぐに資金がなくなることはないとも言えます。

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よっぽどバブル崩壊のような状況になると話は変わりますが、最終的には中国政府が介入してバブル崩壊までにはならないと見込んでます。

ということで、恒大グループの経営状況悪化、あるいは実際に破産してしまったとしても日本経済や我々の生活への直接的な影響はほぼ無いと思われます

ただし、間接的な部分までを考えると一部企業においては影響を免れることはできません
中国における不動産開発が急激に減少していることを考えると、
・中国における建設事業の一部を請け負っていた企業
・中国の建設事業向けに資材を提供していた企業

などは、当然の流れとして売上が減ることになります。

さいごに

今回の「恒大グループが破産法を申請」について、一部企業には少なからず影響が及びそうではありますが、国レベルでの日本経済への影響は少ないと理解していただければと思います

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「”低所得者”に対する住宅ローンの審査の甘さ」が要因で一斉に住宅バブルが崩壊したリーマンショックに対して、今回は「”大企業”の資金不足」が要因という点で違いがあるため影響範囲も異なってきます。

今のところ恒大グループとしては「破綻したわけではない」と発信していますが、苦しい経営状況であることは間違いありません。
特に、アメリカが連邦破産法第15条の適用を申請を受理するかどうかは、世界経済への影響も考えられるため、今後も引き続き状況を見守っていきたいと思います。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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